不妊状態の心理と必要な生殖心理カウンセリング:統制期

不妊は人にとって思わぬ影響を及ぼすものです。独身のうちはあまり深く考えることもなかった問題が、結婚していざという時に他の人が自然にできることが自分たちには出来ないという焦りが生まれ、その焦りから自分自身を責めたり、またはパートナーに対して攻撃的な行動を取ってしまうこともあります。更には人間関係にも影響を及ぼしてしまうものなのです。生殖心理は人間に限らず生き物が持つ自然の本能です。その為、その自然の行動が出来ない苦しみは非常に潜在的なものであると同時に、生きている価値の一部を奪われるような苦しみでもあると言われています。
日本生殖医療心理カウンセリング学会では、不妊の問題には段階があり、その段階に応じたカウンセリングが必要であるとしています。その中でも統制期と呼ばれる時期は非常に重要な時期であると言われています。
統制期とは、自身が不妊であるということをしっかりと認知し、その現実と向き合って行ける時期として非常に重要な時期となります。様々な治療を行い、その結果をしっかりと受け止めることが出来るようになり始める時期とも言われ、この時期を超えることで自分の人生の中で現実を受け入れていける時期への入り口として重要な時期でもあるのです。
生殖心理カウンセラーは、生殖心理における不妊の苦しみを和らげ、また人生を立て直すためのサポートをする仕事です。現実と向き合い、与えられた現実の中で自分自身の人生をどの様に過ごしていくかを見つめ直すためのサポートをしてくれる仕事です。
生殖心理カウンセラーの目的は、不妊に苦しむ人たちの生殖心理を統制期に持っていくためのサポートであると考えられます。統制期を迎えることが出来ると、生殖心理の安定がみられるようになるからです。生殖心理を安定させるためには、自身の現実としっかり向き合い、決してそれを引け目に感じたり恥じたりすることなく、一人の人間として人生を生きていくことへの意欲と、自分自身に対しての信頼感を取り戻すことが大切です。