生殖心理カウンセラーによるカウンセリングの方法:支持的カウンセリング

昨今の日本の生殖医療は著しい発展をとげており、不妊に悩むカップルにとって、大きな貢献をもたらしています。不妊治療の医療技術の進歩は目覚ましいものの、心のケアの問題は未だ十分に解決されていないのが現状です。それを打開する方策の一つとして、「日本生殖医療心理カウンセリング研究会」が発足し、平成27年2月に「日本生殖医療心理カウンセリング学会」へ名称が変更されました。当学会は生殖医療の実施の際に行なわれる、心理的ケアを目的としたカウンセリングの方法と技術の向上を目的としています。また、会員相互の交流を図り、生殖医療の知識の普及と発展を目指すものとなっています。

そもそも生殖医療の分野は、生殖細胞を扱う生物学の一部として、科学的領域において発達してきました。その為、始めからカウンセリングなどの心理学的分野が支持的に導入されたわけではないと言えます。それでも学会の認知度が高まるに連れて、様々な分野から多くの医療従事者が学術集会などに参加するようになりました。その中で、生殖心理カウンセラーも多く誕生しており、全国の不妊医療施設で活躍が見られます。さらに、後に設立された不妊相談士制度において、看護士などの専属のカウンセラー以外の者も、生殖心理カウンセリングから有用な技法を学び取っています。それが心理カウンセラーのサポートにもなっており、患者のマインドアップにも役立っていると言えます。

現代医学は自然科学の一分野なので、心と身体を分けて考える傾向にあります。それに対して、生殖心理カウンセリングでは、精神と肉体は切っても切り離せないと考えます。人の身体は、神経系、内分泌系、そして免疫系などの系統的な組織によって成り立っています。そして、あらゆる系統が脳による精神活動によって、行動等に現れるわけです。不妊症はストレスの多い疾患なので、治療にも大きなストレスを伴います。それ故、精神面への考察がなければ、不妊治療は完結されないと言えます。