生殖心理カウンセリングが必要になる社会的背景について

生殖心理カウンセリングという言葉を聞いたことがない人も少なくありません。心理カウンセリングと聞けば、なんとなくイメージしやすいものの、生殖とはいったいどのようなジャンルのことを指すのでしょうか。生殖心理カウンセリングは主に妊娠や出産に関することを扱います。ほんの少し前まではこうしたカウンセリングを耳にすることもありませんでした。では現在なぜ生殖心理カウンセラーが必要とされるようになったのでしょうか。それには変化する社会的背景があります。歴史を通じて、女性は結婚して出産し、子育てを行うものだと考えられてきました。ところが女性の社会進出や価値観の変化に伴い、そうした通年は徐々に変化してきました。さらに食生活の変化や現代人のストレスも結婚や出産などのあらゆる方面に影響を与えています。ほとんどの人は結婚したくないわけでも子供がほしくないわけでもありません。いつの時代も結婚や出産はごく自然なことです。とはいえ晩婚化による不妊も大きな問題になっています。単なる不妊治療だけでは解決することができません。そこで生殖心理カウンセラーが当然必要とされるようになってきました。一般的に生殖カウンセラーは日本生殖医療心理カウンセリング学会が主催する講座を受講し、必要なトレーニングや知識を得ることでカウンセラーになることができます。不妊というデリケートな問題は、機能的な原因だけ解決すればよいというものではありません。生活のあらゆる面にわたるサポートが必要です。とくに不妊治療を受けている人や家族にとっては、出口の見えないトンネルに迷い込んだかのように感じることがあります。時には周囲からの心無いことばや振る舞いで、精神的に大きなダメージを受けている場合もあります。ですからメンタル面でのサポートは不可欠です。そうした生殖カウンセラーがいる病院であるなら、患者も安心して治療を受けることができるに違いありません。