生殖心理カウンセラーの今後の課題

子供が授かるというのは、まさに生命の神秘と言うべきでしょう。
妊娠とは、幾つもの要因が重なり合って初めて成立するものだからです。
それほど、妊娠というのは簡単なものではありません。
昨今の晩婚化現象の影響もあって、いまや不妊に悩むカップルは、10組に1組を越えていると言われています。
不妊は決して珍しいものではありません。
そもそも、不妊症とは、避妊をしないで一定期間にわたり夫婦生活を営んでも妊娠しない場合に、診断されるのです。
その一定期間とは、日本では2年間であり、海外ではほとんど1年間とされています。
不妊治療を受けても、100%妊娠できる保証なんてありません。
不妊カップルにしてみれば、悩みや不安は尽きるおとがないのです。
今度こそはと期待していたものの、うまくいかなかったという裏切られたような体験が重なると、心理的にも滅入ってくるのは避けられません。
結婚してすぐに子供ができたことを当然のように考えている人々には、不妊で悩んでいる人の苦悶は理解されなくて当然かもしれません。
ただ、そんなときにじっくりと話に耳を傾けてもらえたら、肩の荷をおろしたような安堵感が得られるのは事実なのです。
そこで、カウンセリングが大きな働きをするのです。
悩んでいる人の話を聞き、そのときに共に歩く人として、プロセスを共有するのがカウンセラーの役目なのです。
カウンセラーに話すことで、悩んでいる人みずからが答えを出すのです。
カウンセリングとは、その気づきをもたらすための手法でもあります。
日本生殖医療心理カウンセリング学会は、生殖心理に特化した形の生殖心理カウンセラーを養成、認定しています。
まだまだ広くは社会的に認知されていない生殖心理のジャンルでのカウンセリングには、大きな期待が寄せられていることは言うまでもありません。
医療技術での不妊治療の進歩は明確にあらわれてきていますが、生殖心理カウンセラーが果たしてきた心のケアの部分に関しては、あまり知られていないのが現実です。
今後は、生殖心理カウンセラーの存在をより熱心にアピールしていくことが喫緊の課題であると言えましょう。