生殖心理カウンセリングの必要性

近年、不妊で悩んでいる夫婦は増加傾向にあり、日本でもカップルのうち6組~10組に1組は不妊症であるというデータも出ています。不妊治療の技術は年々進歩しており、体外受精・顕微授精などの高度生殖医療によって赤ちゃんを授かることができる方も増えています。
しかし、不妊治療には高額な治療費・頻回にわたる通院治療、そして結果が出るまで長い年月がかかることがあります。治療を始めるまでや治療を始めてから、また治療をやめるときなど、様々な場面で悩んだり、つらいきもちになったり、ときに追いつめられてしまうこともあります。プライベートなことですので、なかなか周りにも相談しにくいですし、なかには実の両親にも黙って治療をしている方もいらしゃいます。夫婦で話し合って解決できればよいですが、ときには夫婦間でも意見の相違や温度差が生じたりして、どうすることもできず1人で抱え込んでしまうこともあると思います。
ストレスは身体にもよくない影響を及ぼしますし、そのような状態では治療をうまく進めることも難しくなってしまいます。
医師が手助けしてくれるのはあくまで不妊治療に関する医学的な部分だけであり、心理的な面のサポートを得るのはなかなか難しいことです。
そんな中で、不妊治療中の患者さんの「心のケア」を考えて発足したのが、日本生殖医療心理カウンセリング学会です。不妊や生殖医療の知識を身につけ、その心理的影響について学んだ生殖心理カウンセラーの養成や、学術集会などを実施しています。ここで資格を得た生殖心理カウンセラーは、不妊治療専門クリニック等でカウンセリングを行っています。医師になかなか話せないことや、夫婦間の問題など、話を聞いてもらえるだけでも気が楽になります。生殖心理についてきちんと理解しているカウンセラーですので、適切なアドバイスや励ましも行ってくれるでしょう。
今後、ますます需要が増えるであろう生殖心理カウンセリング、その必要性をもっと多くの人に知ってもらいたいものです。